
不用品を処分したいとき、「不用品無料回収」と検索して業者に頼もうと考える人は少なくありません。しかしその前に、まず自宅で出せるごみのルールを確認しておくことが大切です。特に、ポストに無料回収のチラシが入っていても安易に信じないよう注意が必要です。無許可業者による高額請求や不法投棄のトラブルが全国で報告されています。
実は、自治体のルールに従えば費用をかけずに自分で処分できるケースも多くあります。例えば、30センチ以内なら小型家電不燃ごみで出せることをご存じでしょうか。また、家具30センチ以下燃えるゴミで処分可能なケースもあります。さらに、燃えるゴミで出せる木製品の具体例を知っておけば、わざわざ粗大ごみ扱いにせずに済むこともあります。
一方で、冷蔵庫洗濯機テレビは無料では捨てれないため、家電リサイクル法に基づいた処理が必要です。そうした大型の不用品であっても、自治体の粗大ごみ回収なら費用も明確で、民間業者に比べて安心して利用できる点が魅力です。
このように、不用品を無料で回収してもらう前に、自分で出せる方法を把握しておくことで、不要な出費やトラブルを回避することができます。この記事では、不用品回収を考える前に知っておくべきポイントを具体的に解説します。
記事のポイント
- 無料回収をうたう業者に注意が必要な理由
- 自治体のルールに従えば多くの不用品は自分で処分できること
- サイズによってごみとして出せる品目があること
- 粗大ごみは自治体回収のほうが安全で費用も明確であること
不用品無料回収の前に知るべき処分方法

- ポストに無料回収のチラシは安易に信じない
- 30センチ以内なら小型家電不燃ごみ
- 家具30センチ以下燃えるゴミで処分可能
- 食器は割れてもオッケイで不燃ゴミ対象
- パソコンは専用回収ルートで無料処分も可能
ポストに無料回収のチラシは安易に信じない
不用品無料と書かれたチラシがポストに入っていても、安易に信用すべきではありません。その多くは無許可業者によるものであり、実際には後から高額な料金を請求されるトラブルが全国的に発生しています。
引っ越しや自宅の整理などで不用品回収サービスを利用する機会は増えていますが、それに伴って消費生活センターへの相談件数も増加しています。2021年度には2,000件を超え、特に「定額パックを申し込んだのに作業後に数十万円を請求された」といった深刻な事例も報告されています。
一見親切に見える「無料回収」は、実際にはトラックに荷物を積んだ後に「これは別料金です」などと追加費用を請求されることがあります。また、「トラック詰め放題」といった広告が出ていても、当日になって「囲いの高さまでしか積めない」などと条件が変わり、キャンセル料を請求された例もあります。
こうした業者の多くは、一般家庭の廃棄物を回収するために必要な「一般廃棄物処理業の許可」を持っていません。産業廃棄物処理業の許可しか持たない業者が家庭向けに営業を行うこと自体が違法であり、利用者が知らずに違法行為に加担してしまうおそれもあります。回収された不用品が不法投棄されるケースもあり、社会的な問題になっています。
このような被害を防ぐためにも、不用品を処分する際は必ず市区町村が案内しているルールや窓口を活用してください。市区町村以外に依頼する場合でも、一般廃棄物処理業の許可を持つ事業者を、自治体のホームページなどで確認してから依頼するようにしましょう。
なお、見積もり時には「追加料金の有無」「キャンセル料」「作業内容と料金の明細」を事前に確認することが重要です。作業前に納得できない提案があれば、はっきり断ることがトラブルを防ぐ第一歩です

30センチ以内なら小型家電不燃ごみ

不用品無料で処分したいと考えるなら、まずは自治体のルールを確認しましょう。多くの自治体では、家電製品であってもサイズが30センチ以内であれば、不燃ごみとして処分できる決まりがあります。これを知っていれば、回収業者に頼らずに手軽に処分できます。
具体的には、トースター、電気ケトル、ドライヤーなどの小型家電が該当します。これらを自治体指定の不燃ごみ袋に入れて、指定日に出すだけで処分可能です。
ただし、電池やバッテリーが内蔵されているものは、火災の原因となる可能性があるため、取り外して別の方法で処分する必要があります。必ず自治体のルールを確認し、安全に処理しましょう。
家具30センチ以下燃えるゴミで処分可能
木製の小型家具で一辺が30センチ以下であれば、燃えるゴミとして出せる場合があります。特にカラーボックスの棚板や、DIYで作った小さな収納箱などが該当します。
こういった家具はノコギリなどを使って分解・切断することで、規定サイズ内に収めることができます。燃えるゴミで出せれば、粗大ゴミのような手続きもなく、処理券を購入する手間もかかりません。
ただし、釘や金属パーツが付いている場合は取り除いて、不燃ごみに分別する必要があります。工具を使う際は、安全のために軍手や保護メガネを着用すると安心です。
食器は割れてもオッケイで不燃ゴミ対象

不用品の陶器やガラスでできた食器は、割れていても不燃ゴミとして処分できます。むしろ、割れている食器はけがの原因にもなるため、なるべく早めに捨てた方が安全です。
不燃ごみに出す際は、新聞紙や厚紙でしっかりと包み、「ワレモノ」や「危険」と袋に明記するのがマナーです。こうすれば、回収作業員の安全にも配慮できます。
また、一度に大量の食器を出す場合は、ゴミ袋の重さにも注意してください。自治体によっては重量制限が設けられていることもあるため、何回かに分けて出すようにしましょう。
パソコンは専用回収ルートで無料処分も可能
パソコンは一般のゴミとして捨てることができませんが、専用の回収ルートを使えば無料で処分することが可能です。家庭用パソコンには「PCリサイクルマーク」が付いている場合があり、この場合はメーカーが無償で引き取ってくれます。
具体的には、メーカーのウェブサイトや、一般社団法人パソコン3R推進協会の案内に従って申し込むことで、回収用の箱が届き、宅配便で返送する形になります。
ただし、個人情報が残ったままの状態で出すのは非常に危険です。データ消去ソフトを使って確実に情報を消去するか、物理的にハードディスクを破壊するなどの対策を忘れずに行いましょう。
不用品無料回収より自治体ルールの活用を

- 燃えるゴミで出せる木製品の具体例
- 布団は粗大ごみで捨てるのが基本ルール
- 冷蔵庫洗濯機テレビは無料では捨てれない
- 自治体の粗大ごみ回収なら費用も明確
- 無料回収業者に頼ると高額請求の恐れも
- 安心・安全な処分はまず自治体確認から
- 不用品無料回収に頼る前に知っておきたい基礎知識
燃えるゴミで出せる木製品の具体例

一辺が30センチ以内の木製品であれば、多くの自治体では燃えるゴミとして処分できます。これを知っておくことで、わざわざ粗大ごみや回収業者を利用する手間を省けます。
例えば、小さな木製のまな板、子ども用の踏み台、木のスプーンやフォーク、細かくカットした棚板などが該当します。また、壊れた木製のフォトフレームや小物入れなども対象になることがあります。
加えて、カラーボックスや小型の木製棚なども、解体して一辺30センチ以内に収めれば、燃えるゴミとして出すことが可能です。のこぎりで切るなど少し手間はかかりますが、無料で処分できるためコストを抑えたい方にはおすすめです。
ただし、ニスや防腐剤が塗られている木材、金属パーツが外せないものは対象外となる場合があります。処分前に自治体のごみ分別ガイドを確認しておくと安心です。
布団は粗大ごみで捨てるのが基本ルール
布団を家庭ごみとして出すのは原則として認められておらず、自治体の粗大ごみ回収に申し込むのが一般的です。
布団は大きくてかさばるため、ゴミ袋に入らないことがほとんどです。切って小さくすれば燃えるゴミで出せることもありますが、手間がかかるうえに、アレルゲンやホコリが舞いやすく、健康への影響も懸念されます。
このため、粗大ごみとして申し込み、指定された日に回収場所に出すのが最も安全かつ確実な方法です。布団1点につき数百円の処理費用がかかりますが、正しい手続きで安心して処分できます。
冷蔵庫洗濯機テレビは無料では捨てれない

冷蔵庫・洗濯機・テレビといった家電4品目は、家電リサイクル法に基づき、無料では処分できません。これらは「リサイクル料金」と「運搬料金」の2つの費用が必要です。
例えば、家電量販店で新しい製品を購入する際、古い家電の引き取りを依頼すれば、正規ルートで処分が可能です。費用は製品の種類やサイズ、メーカーによって異なりますが、概ね2,000円〜5,000円程度を見込んでおくと良いでしょう。
仮に無料回収をうたう業者に依頼しても、あとから追加料金を請求されるケースもあります。安全で確実な処分をしたいなら、家電販売店か自治体に相談することが大切です。
リサイクル料金例

自治体の粗大ごみ回収なら費用も明確
粗大ごみの処分を自治体に依頼する最大のメリットは、料金体系が明確でトラブルの心配が少ないことです。
たとえば、自治体のウェブサイトや電話窓口で申し込めば、処分料金があらかじめ提示されます。そのうえで「粗大ごみ処理券」を購入し、対象物に貼って指定日に出すというシンプルな流れです。
費用は品目ごとに定められており、地域によって異なりますが、数百円〜千円台の範囲で済むケースが大半です。見積もり不要で明朗会計な点は、民間業者にはない大きな安心材料といえるでしょう。
無料回収業者に頼ると高額請求の恐れも
「無料で引き取ります」という言葉にひかれて依頼した結果、思わぬ高額請求を受けるトラブルが後を絶ちません。特に、ポストのチラシや軽トラックで巡回する業者に多く見られる手口です。
荷物を積んだ後に「これは対象外です」と言って数万円を請求されたり、断ろうとしても荷物を下ろさせてくれないケースもあります。こうした業者の多くは無許可で営業しており、消費者センターへの相談件数も年々増加しています。
無料という言葉に惑わされず、事前に見積もりと明細を確認できる信頼性の高い業者を選ぶことが必要です。できれば自治体の案内している正規ルートを使うのが無難でしょう。
安心・安全な処分はまず自治体確認から
不用品を正しく処分したいなら、まずお住まいの自治体が案内しているルールや方法を確認することが重要です。
自治体では、品目ごとに分類されたゴミの出し方や処分方法を明確に定めており、処理にかかる費用や出し方の手順も事前に把握できます。これに従えば、違法な回収業者に依頼する必要もありません。
特に家電や家具の処分では、自治体指定のルールに従うことで、トラブルを回避できるだけでなく、資源の有効活用にもつながります。手間はかかっても、長い目で見れば安心と安全を得ることができる方法です。
不用品無料回収に頼る前に知っておきたい基礎知識
- 不用品無料と書かれたチラシは無許可業者の可能性がある
- 無料と宣伝して高額請求する業者が多数報告されている
- 2021年度の不用品回収トラブル相談件数は2,000件を超えた
- 一般家庭の不用品回収には自治体の許可が必要
- 小型家電は30センチ以内なら不燃ごみで出せる
- 木製家具も30センチ以内なら燃えるごみで処分可能
- 陶器やガラスの割れた食器は不燃ごみに出せる
- パソコンはリサイクルマークがあれば無料回収が可能
- 布団は自治体の粗大ごみ回収が基本ルール
- 冷蔵庫・洗濯機・テレビは家電リサイクル法の対象
- 自治体の粗大ごみ回収は料金が明確でトラブルが少ない
- トラック詰め放題などの広告には裏がある場合が多い
- 作業当日にキャンセル料や追加料金を請求されることもある
- 自治体の公式ルートを確認すれば安心して処分できる
- 信頼できる業者は市区町村のホームページから探せる